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天使さまっ!
第14章 続編 天国へと続く恋
少しも迷うことなく、自然に静かにエリン先生は言葉を紡ぐ。
「華也ちゃんはどうしたいの」
彼女は動きを止めて、ゆっくり、エリン先生を見た。
「ど、した、い?わた、し、が?」
「うん。どうするべきとかどうできるとかじゃなくて。華也ちゃんの気持ち」
ただ気持ちを吐き出すだけが、でもとても難しい。彼女はただ首を振って、声の代わりに涙を流した。言ってはいけないという自分の概念から踏み出せず、もがく。やがて別の出口を探して心は逃げてしまう。
「お姉ちゃんを忘れたい、別の誰かを愛したい、自分を壊したい――エリン先生に抱かれたい」
哀しみや苦しみから狂気を宿す目で彼女はそう口走った。思わずビクリとしたのは私、矛先は心を開く相手に向く。もう何も判断の出来ない彼女は、ただ自分の気持ちから逃げていたいのだ。
「それは華也ちゃんのほんとの気持ちじゃ」
「あんなふうに、愛されたい!」
ズキリ、と胸が痛み、たぶんそれは彼女の本心。私と先生がしていたみたいに、本当は彼女も愛されたいという本心。
ただ、『誰に』の部分をすり替えてしか、口にも出来ない彼女の本心。