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天使さまっ!
第19章 センチメンタルジャーニー


ずっと眠れていなかったからか、パタリと倒れてしまったその日の夕方。目を覚ますと隣のベッドで眠ったままのエリン先生が見えた。ソファーではお父様が眠っている。

エリン先生の人工呼吸器はもう外されていた。そっと起き出して、お父様を起こさないよう、残り僅かになっているエリン先生の点滴を付け替えた。きっと婦長が私の為に用意しておいてくれたんだと思う。点滴の他に包帯やタオルなどもある。

頭がすっきりしていた。今一度カルテを見て自分のすべきことを確認する。汚れた包帯をはずしてエリン先生の体を拭き、患部は傷の具合を見ながら消毒などをしてまた包帯を巻く。頭部と胸部は動かせないのでそのままに、骨折している腕は特に慎重にした。


「シカコはヤサシイね」


いつから目覚めて見ていたのか、お父様が言った。


「エリンはケッコウ、アツカイがザツだったよ」


苦笑しているその顔に、なんだかホッとした。


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