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天使さまっ!
第19章 センチメンタルジャーニー
エリン先生の記憶が戻るまで。エリン先生が私を見るまで。辛くて仕方ない。だけど、自分が辛いからといってエリン先生に無理をかけたくないの。必要な時間が経つのを待つしかない。
病室でじっと窓の外の空を睨むように見ていたエリン先生を、まぶたに焼き付けてから、私は病院をあとにした。しばらく休暇をとったからきっと淋しくなるんだろうな。自分の部屋に帰宅して、もう誰にも迷惑がかからないことに安堵する間もなく、私は声をあげて泣いた。
何日かぶりに帰宅した部屋は、まるで知らない場所になったみたいで空気に違和感がある。臭いが違う。エリン先生の思い出がいっぱいあるはずなのに、私は一人ぼっちだった。