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天使さまっ!
第19章 センチメンタルジャーニー
「ちゃんと治るからね」
「エリン先生の、怪我も、治りますか」
「…………大丈夫だよ、泣かないで……僕まで泣きそう。あれ……変だな」
目をあけると目頭を押さえているエリン先生がぼやけて見えました。やっぱりキスしたいです。思い出してほしいです。
心がグラグラ揺れます。
エリン先生から離れるようにベッドから立ち上がると、私はそそくさと元の作業を続けるべくタオルを濡らして絞りました。温かかったはずの水がずいぶん冷めてしまっています。
「お湯汲み直してきま―…」
「待って。もうちょっと傍にいて。……何か、思い出せそうなんだ」
私は息を飲んで立ち止まりました。ドキドキとしながら見守っているとエリン先生はやがてパタリと体を倒し顔を覆い隠してしまいます。
「ごめん、なんか間違った」
「?」