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天使さまっ!
第19章 センチメンタルジャーニー
私が病室に戻るとエリン先生は一人うんうん唸りながら赤い顔を押さえていました。
「何か思い出しましたか?」
「違うんだ、ほんとごめん」
謝らなくてもいいのに。
思い出しかけてる記憶を必死に打ち消そうとしているのか、逆に心配になってしまいます。
熱々に絞ったタオルで体を拭いてあげている間もなんか目をそらすようになってしまいました。内心ションボリです。
「お下も流しますね。動けます?」
「あ、ちょっとタンマ」
まさかの待ったコールに手を止めて目をパチクリした私に、エリン先生は額の汗を拭いました。とっさに予備のおしぼりを渡してしまいます。
「っ……なんか、体がゾワゾワして落ち着かない」
「具合が悪いですか?ドクターお呼びしましょうか」
そういえばさっきから顔も赤いままだし、もともと熱があるのに体調悪化しているのではと激しく不安になってしまいました。
「そういうんじゃないから大丈夫です。むしろ元気」
目をそらして呟くエリン先生に私は首を傾げつつホッとしました。
「楽にしててくださいね」