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天使さまっ!
第3章 天使さまの実情


「僕は医者でありながら、死を知りません」


まっすぐな声は透明で、まるで穢れをしらない天使のよう。エリン先生の持つ不思議な雰囲気にのまれ、それが子どもの遊びだとかいう邪念はすっかり忘れてしまうくらい。


「幸い、僕の患者さんはどなたも亡くなることがありません」


それが、過保護に守られた結果なんだろうと思うけれど、私は歌うような天使の声にただ聞き惚れていた。


「――それでもやっぱり、向き合うべきですか」

「……え?」


予期せぬ問いかけに、私はうろたえた。何を訊かれているかもよくわからない。


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