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天使さまっ!
第5章 天使さまが神さまに見えた日
患者さんの手を離し、エリン先生は途端に厳しい顔で分娩台の足元に向かう。
妊婦さんの声を聞いているだけで私は竦み上がってしまいそうなのに、先生は機敏に処置をこなして、産科の先生やナースたちに指示を出している。
これは夢?だってエリン先生は10歳なのよ?本当に本当の医師だっていうの?全部本当の話だっていうの?
妊婦さんの大きなお腹を撫でながら、大丈夫ですと励まし続ける真剣な横顔がとっても素敵で。今まで私は信じてなかった。凄くちっぽけで情けなくなった。
「ほら、頭がもう出そうですよ!」
エリン先生の声で、妊婦さんは声を殺して息んでいた。