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天使さまっ!
第12章 続編 ワザワイはワスレタコロに
トイレに取り残された形で、周りの雑踏が意識から遠退く。あぁ立てない。そっか、腰が抜けちゃってるんだ。
いつまでも動かない私の目の前までエリン先生が来て、急にこどもの顔になりました。あれ、……これは怒っているのでしょうか。えーと。
お互い何も言わないでじっと目を合わせて逸らせもしない。
「…………」
やがてギュッとエリン先生が私の腰にしがみついて来て顔を埋めて呟いた。
「こわかった」
「ええっ?!エリン先生がですか!」
そんなふうには見えなかったから、私はびっくりして叫んじゃった。
「だってナイフ持ってたし。しかこさんに怪我させたらどうしようかと思って」
私のお腹に顔を押し付けたままのくぐもった声がぽつりぽつりそう言った。自分がナイフ向けられても、私のことばかり心配してたの。