この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
山猫と狼
第11章 ロイ殿下の輿入れ
「これはこれは、美しい姉妹愛ですね」
離れたところから様子を伺っていたクロードが、つかつかと二人に近づいてきた。
ロイはリュリをぎゅっと抱き、クロードを睨んだ。
妹に手を出したら、ただじゃ置かないぞ・・・!
ロイの目はそう告げていた。
「リュリ殿下。あなたからお姉さまを取り上げてしまい、大変申し訳なく思っています。
でも安心してください、私はロイ殿下を妻として生涯大切にすることを神にかけて誓います」
クロードの言葉に丸め込まれたリュリは、ハンカチで涙を拭き彼に握手を求めた。
「ぜひ、お姉ちゃんを大切にしてくださいね。ちょっと男勝りで勝ち気ですけど、とっても優しくて頼もしい人ですから」
ロイは、クロードの汚れた手がリュリに触れるのが我慢ならなかった。
さりげなく二人の間に割って入ろうとした瞬間にクロードが手を放し、ロイはほっとした。
「リュリ殿下もなかなかチャーミングだ。きっと私の臣下たちも彼女を気に入るだろう」
クロードはロイの耳元でそう囁いた。
彼の言葉は、「何かしでかしたら、妹を集団レイプさせるぞ」と仄めかしているように聞こえ、ロイはぞっとした。
「お姉ちゃん、クロードさんって素敵ね」
「おい、俺も『素敵』だろう」
「えへへ、クリストも素敵だよ。焼きもち焼いたの?」
夫とふざけ合って無邪気にころころ笑う妹を見て、ロイは心が痛くなった。
彼女は、何も知らない。
離れたところから様子を伺っていたクロードが、つかつかと二人に近づいてきた。
ロイはリュリをぎゅっと抱き、クロードを睨んだ。
妹に手を出したら、ただじゃ置かないぞ・・・!
ロイの目はそう告げていた。
「リュリ殿下。あなたからお姉さまを取り上げてしまい、大変申し訳なく思っています。
でも安心してください、私はロイ殿下を妻として生涯大切にすることを神にかけて誓います」
クロードの言葉に丸め込まれたリュリは、ハンカチで涙を拭き彼に握手を求めた。
「ぜひ、お姉ちゃんを大切にしてくださいね。ちょっと男勝りで勝ち気ですけど、とっても優しくて頼もしい人ですから」
ロイは、クロードの汚れた手がリュリに触れるのが我慢ならなかった。
さりげなく二人の間に割って入ろうとした瞬間にクロードが手を放し、ロイはほっとした。
「リュリ殿下もなかなかチャーミングだ。きっと私の臣下たちも彼女を気に入るだろう」
クロードはロイの耳元でそう囁いた。
彼の言葉は、「何かしでかしたら、妹を集団レイプさせるぞ」と仄めかしているように聞こえ、ロイはぞっとした。
「お姉ちゃん、クロードさんって素敵ね」
「おい、俺も『素敵』だろう」
「えへへ、クリストも素敵だよ。焼きもち焼いたの?」
夫とふざけ合って無邪気にころころ笑う妹を見て、ロイは心が痛くなった。
彼女は、何も知らない。