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山猫と狼
第10章 完全なる結婚
ロイは浅い眠りから覚めた。
彼女の肌には、拭っても消えない忌々しい男の凌辱の跡が残されている。
しばらくすると、侍女がやって来た。
「お風呂の支度が整いました」
ああ、汚れきった体を隅々まで洗い清めたい!
ロイはまたクロードの罠かもしれないと訝しんだものの、体を清めたい欲求には勝てなかった。
侍女は彼女の夜着を脱がそうと手伝ったが、ロイは反射的に彼女を押しのけてしまった。
いつの間にか、他人に触れられることに強い拒否反応が芽生えていた。
「すまない。・・・一人にしてくれないか」
「私はここを離れることはできませんが、お一人で入浴されたいのなら、どうぞ」
侍女は言い、ロイの元から少し離れた。
何の表情もない彼女の目が、服を脱ぎバスタブに浸かるロイを無機質に見つめている。
何かあれば彼女が合図して、すぐに番兵が飛んでくる手筈になっているのだろう。
ロイはそれを居心地悪く感じながらも、清潔な湯の感触に生気を取り戻してゆく。
彼女はバスタブの中、柔らかいスポンジで体をこする。
スポンジが乳房の先端や秘部に触れたとき、ゾクゾクする感覚に襲われた。
自分の体は、快楽の蜜の味を覚え始めている・・・!
ロイはその事実に気づき、愕然とした。