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山猫と狼
第10章 完全なる結婚
「私のサインはすでにここにしてあります。ロイ殿下、あなたのサインをこちらにお書きください」
クロードは、分厚い上等な紙をロイの目の前に差し出す。
ロイは体を固くし、不動のままだった。
それが精いっぱいの彼女の抵抗だった。
「・・・今すぐじゃなくても結構です。
まずは『儀式』を始めましょうか。そうすればサインせずにはいられなくなるでしょうから」
クロードはぱちんと指を鳴らした。
すると扉についていた二人の番兵が彼の元へ集まった。
一人の屈強な兵士がロイの腕をつかもうとしたが、彼女はするりとすり抜けた。
もう一人の身軽な兵士が彼女をとらえようと待ち構えたが、ロイは兵士を勢いよく蹴り上げる。
背水の陣のロイは、どうにかして彼らの手から逃れようともがいた。
「まったく、お転婆なお姫様ですね。
本当はお客様に手荒なことはしたくないんですが、大人しく捕まってくれないと、スノートル君が大変な目に遭いますよ」
スノートルの周りの四人の兵士が、彼の頭上に銃を構えている。
「彼の脳天を吹っ飛ばしたくなければ、こちらに来て座りなさい」
「卑怯者め・・・!」
ロイは罵りながら、仕方なくクロードの指すひじ掛け椅子に腰を下ろした。
「いい子ですね、プリンセス」
クロードはロイの両手をがっちり掴み、彼女の両腕を縛り上げた。
クロードは、分厚い上等な紙をロイの目の前に差し出す。
ロイは体を固くし、不動のままだった。
それが精いっぱいの彼女の抵抗だった。
「・・・今すぐじゃなくても結構です。
まずは『儀式』を始めましょうか。そうすればサインせずにはいられなくなるでしょうから」
クロードはぱちんと指を鳴らした。
すると扉についていた二人の番兵が彼の元へ集まった。
一人の屈強な兵士がロイの腕をつかもうとしたが、彼女はするりとすり抜けた。
もう一人の身軽な兵士が彼女をとらえようと待ち構えたが、ロイは兵士を勢いよく蹴り上げる。
背水の陣のロイは、どうにかして彼らの手から逃れようともがいた。
「まったく、お転婆なお姫様ですね。
本当はお客様に手荒なことはしたくないんですが、大人しく捕まってくれないと、スノートル君が大変な目に遭いますよ」
スノートルの周りの四人の兵士が、彼の頭上に銃を構えている。
「彼の脳天を吹っ飛ばしたくなければ、こちらに来て座りなさい」
「卑怯者め・・・!」
ロイは罵りながら、仕方なくクロードの指すひじ掛け椅子に腰を下ろした。
「いい子ですね、プリンセス」
クロードはロイの両手をがっちり掴み、彼女の両腕を縛り上げた。