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山猫と狼
第10章 完全なる結婚
彼女の不安と緊張を痛いほど感じていたクロードは、わざと調子を狂わせるように何の前触れもなくロイの胸元を鷲掴みにした。
「・・・・・・!」
クロードはにやけながら、ロイの豊かな両胸の重さを推し量るように、そっと上下に動かしている。
ロイは、自分の体を玩具にされたようで不快になる。
「さあ、これからロイ殿下の「一番素晴らしい部分」の一つをお見せしましょう。
本当は私一人で独占していたいのですが、儀式のため、やむをえませんね」
クロードの言葉を聞いて、ロイの心臓が早鐘を打ちはじめた。
この男は、スノートルや他の男たちの前で私を辱めようとしている・・・!
スノートルもまた、クロードの言葉に胸をかき乱された。
恐らく、ロイ殿下はこの男に丸裸にされ凌辱されるに違いない・・・!
一番大切な人を穢されることを思い、彼は絶望した。
助けることができないのなら、いっそのこと死んでしまいたいほどだった。
だが、ロイのためにも、祖国のためにも、今自分が死ぬわけにはいかない。
スノートルは、ぎゅっと唇を真一文字に結んだ。