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山猫と狼
第10章 完全なる結婚
クロードは、乳首への愛撫を続けながらロイの夏草のような髪の匂いを嗅ぎ、耳から首筋にかけて一舐めした。


胸への刺激と舌のとろけるような感触は、ますますロイを窮地に追い込む。


「感じてしまいなさい」


クロードはロイの耳に熱い息をかけながら言葉を紡ぐ。


「快楽を我慢しないで、声を出して喘いでいいんですよ」


それは悪魔の甘い囁きだった。


ロイは獣のように思い切り乱れ、腹の底から声を出し、めくるめく快感を全身で感じたかった。


でも、そうするわけにはいかないのだ。


この男に体は弄ばれても、心まで受け渡すわけにはいかない。


「お前なんかで、感じるものか!」



ロイは振り返り、背後でほくそ笑むクロードを目で刺し貫いた。


ロイの甘さのひとかけらもない一瞥は、クロードをひるませるどころか火に油を注いでしまった。


「・・・断言しよう。プリンセスは快楽に負けると」


スノートルは耳を塞ぎたくなった。


これ以上、大切な人が穢されるのはたまらなかった。


「私は、お前にだけは絶対に負けない。何があろうと」


ロイは落ち着いた声で言った。


彼女の声色には、誇りと力強さがあった。


スノートルは、彼女の言葉を信じたい気持ちでいっぱいになった。


「強がりは今のうちですよ、プリンセス」


クロードは腕をまくりながら不敵に言い放った。


「おい、彼女の脚を拘束しろ。アソコを大きく広げるんだ」

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