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恋を知った日
第2章 第ニ話
目があうなり、悠はすっと目を逸らすと、すぐそこにあった打楽器を持ってあたしの横を通り過ぎようとする。

その腕を、咄嗟に掴んでしまった。


「愛梨?」


悠は驚きと動揺が入り混じったような顔で、あたしを見る。

ああ、なんでこんなことしちゃったんだろう。


「昨日のこと、気にしてないから」


考え抜いた末に出てきた言葉はそれだった。


「確かにあたし、悠の告白なかったことにしようとしてた。...ひどいことしてたから。あたしも悪いわけだし、悠とはまだ友達でいたいし...」


焦って思いつくままに、まとまってもいない事を口走る。


「だから...!?」


突然、あたしは悠の胸に抱きしめられていた。
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