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恋を知った日
第1章 第一話
「悠?ごめんって、ねえ、痛いよ」

あたしが必死にそう言っても、悠は何も言ってくれない。

そのままあたしの手を引いて、薄暗い路地裏に入っていく。


「...悠?」

悠はビルの裏にあるエアコンの室外機にあたしを座らせた。

雨に濡れるのも構わず、両腕で痛いくらいにあたしの手首を掴んでいる。


「ねえ愛梨、僕は優しくなんかないよ」

「え?」

「愛梨は全然わかってない。だからこんな格好でいて平気なんでしょ?」


悠は別人みたいな顔で、あたしの目をじっと見る。

こわいのに、そらせない。


「僕はさ、愛梨の全部を僕のものにしたいって、ずっと思ってるんだよ」


「え、ちょ、まって!」


するりとあたしのネクタイを外した悠に、制止しようと咄嗟に手を動かす。

だけどそれはあっさりと捕まえられて、外したネクタイで縛られてしまった。


「こんなに透けてるんだから、着てても着てなくても、同じだよね」


そう言って、ワイシャツのボタンを外し始める。


「悠?!やめて、こんなのだめだよ!」

「知らない」


叫んでも聞いてくれない。

あっという間に下着があらわになって、素肌が悠の目の前にさらけ出されてしまった。
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