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暁の星と月
第3章 暁の天の河
それからは光はなぜか妙に神妙になり、テーブルは始終和やかにお茶会が進行した。
礼也はおとなしい梨央を慮り、何かと話題を振る。
そして、梨央がたどたどしくも真摯に答えるのを、礼也は熱心に包み込むように見つめるのだ。
その表情を大紋は見覚えがあった。
…暁を見るときの表情と良く似ている…。
限りなく慈愛に満ちた眼差しと表情…。
それは正に近親愛に似たものだ。

大紋は考える。
…礼也は自分では気づかないかも知れないが、梨央さんへの愛情は美しい近親愛に近いものなのではないか。
まだ梨央が幼いこともあるかも知れないが、礼也の発する梨央に対する情愛には少しも生々しいものがなかったのだ。
まるで、手に触れてはならない美しい宝石やなにかを憧憬の念でもって見護り、崇めているような…寧ろ、自分から望んで遠くから見つめているような雰囲気が彼にはあったのだ。
…もちろん、それは梨央が更に大人へと成長する内に変わるものかも知れないが…。

大紋は親友の心情を密かに想像し、新しい発見を見た気がした。
…なににせよ、梨央さんは男が邪な想像をする余地がないほどに清らかで穢れなく美しい存在なのだ…。
それゆえに、自身の手ですら触れることを躊躇わせるほどの類稀なる無垢さが梨央にはあるのだ。

…だが、自分は違うと大紋は、隣に座る暁の太腿の上に密かに右手を伸ばした。
純白のテーブルクロスの下、暁の脚が小さく震えた。
そっと美しい脚のラインに沿うように、大紋は手を滑らす。
暁は一瞬睫毛を瞬かせ、ウェッジウッドの茶器をそっとソーサーに戻す。
暁の左手が諌めるように大紋の手に重なる。
その手を男は素早く絡め取ると、愛撫のように華奢な指を撫でさする。
暁が目尻を仄かに朱に染めながら、大紋を切な気に見つめる。
大紋は薄く笑いかけながら、震える美しい手を痛いほど握り締める。

…僕なら触れることは、躊躇わない。
美しい花は激しく散らしてこそ、美しいからだ…。
…例え、この身がその美しくも妖しい花とともに滅びる運命になろうとも…。

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