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暁の星と月
第1章 暗闇の中の光
それから礼也は暁が落ち着くまでずっと側に寄り添い、暁が食事を全て平らげるまで決して急かさず時間をかけて見守っていた。

暁が食事を終えると、見計らったかのように生田が現れた。
「礼也様、ご入浴の準備が整いました」
礼也は頷く。
そして、にっこりと笑い暁の頭を撫でる。
「…では暁、風呂に入って暖まっておいで。私はお前の部屋で待っている」
散々泣いた気恥ずかしさから、暁は眩しげに礼也を見上げる。
「…は、はい…」
暁は立ち上がる。

生田に浴室まで案内される間、礼也の言葉を反芻する。
…お前の部屋…
このお城みたいなすごいお屋敷に、僕の部屋があるのかな…?
本当に、このお屋敷に僕が住んでもいいのかな…。
…そういえば、縣男爵様や奥様はどこにいらっしゃるのかな…。
…僕を嫌っている奥様…
奥様は僕がここにいることをご存知なのだろうか…。

次から次へと疑問が湧き上がり、再び不安で胸が一杯になる。
…考えても仕方ない。
あとで…あとで考えよう…。
暁はふかふかの赤い絨毯が敷かれた長い廊下を執事に導かれて歩きながら、首を振った。


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