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暁の星と月
第4章 夜啼鳥の夢
風間の戯言に慣れっこな大紋は涼しい顔をして、風間の腹に拳を入れる。
「…相変わらず、ふざけた奴だな。大人を揶揄うものじゃない」
…痛いなあと笑いながら、少しも応えた風もなく
「…縣も二十歳か…。しかし、少しも変わらないな。相変わらず綺麗だ…」
さすがの風間も暁の美貌には素直に褒めそやすしかなかった。
「…そうだな…。相変わらず…いや、暁は年々美しく艶やかになる。…それは怖いくらいに…」
大紋の臆面もない言葉に、風間は肩を竦める。
「堂々と惚気ですか…。じゃあ上手くいっているんですね、二人の仲は…。良かったじゃないですか。
…暁が大学生になって学業と馬術に加え、社交界にも本格的に顔を出すようになって多忙だし、貴方は事務所の規模も大きくして、依頼人も沢山増えて毎日忙しそうだ。すれ違いの日々で熱々の仲も冷えてゆくのを期待していたのになあ〜」
大紋は苦笑する。
「随分僕らの近況に興味を持ってくれているみたいだな。ありがとう。頗る上手くいっているよ。…まあ、お互い立場があるからなかなか表立っては出かけたりは出来ないが…暁がとても気を遣ってくれている…」

大紋は去年、暁と逢うためだけの家を武蔵野の奥地に買った。
そのことを切り出した時に、暁は目を見張った。
「…そんな…もったいないです。僕の為に…!」
大紋は暁を抱きしめた。
「…君と他人の目を気にせずに逢えて、愛し合える場所が欲しいんだ…。…君の家や僕の家でももちろん逢えるし、泊まれるけれど…愛し合えないからね…」
暁の白い耳朶が桜色に染まる。
「…春馬さん…」

男同士で愛し合うことがこんなに難儀だとは思わなかった。
それが暁と付き合うようになってからの、大紋の率直な感想だ。
お互いの家は広く、いくらでも宿泊も出来るが愛し合えない。数多くの使用人の目があるからだ。

今までは高級ホテルに二人の名前で別々に予約をして、泊まり、翌日は別々にチェックアウトするという方法で逢っていた。
だが、これではまるで暁を日陰者にしているようで、大紋は嫌だった。
「僕は構いませんよ。…別に街の待合宿でも構わないです。…貴方に逢えるなら…」
暁は儚げに微笑った。
「馬鹿なことを言うな。…君は縣男爵の弟だ。猥雑な色街を歩かせるわけにはいかない。…大丈夫だ。僕に任せてくれ…」
何か言おうとした暁の可憐な唇を大紋は荒々しく塞いだ。





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