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暁の星と月
第1章 暗闇の中の光
礼也が自分のかつての子供部屋で暁を待っていると、生田に案内された暁が部屋に入ってきた。

その暁の姿を見て、礼也は眼を見張り驚いた。
…艶やかな長めの黒髪、透き通るように白い肌、優しい形の眉、長い睫毛、大きな黒目勝ちの瞳、すんなり整った鼻筋、形の良い薄紅の唇…。
飛び切りの美少女のような美しい容姿だった。
白いシャツに黒いパンツというシンプルだが品の良い服装が驚くほど似合っている。
まるで、ずっと貴族の子弟として育った少年のようだった。

自分を見つめたまま声を発しない礼也に、暁は不安げに口を開いた。
「…あ、あの…兄さん…?」
はっと我に返る。
「ごめんごめん。…暁があまりに美しくて驚いたよ」
暁は白い頬を染めて俯く。
「そんな…僕なんか…」
礼也は暁の髪を優しく撫でる。
「暁は本当に綺麗だ」
暁にとって美しくきらきら輝くような男らしい礼也に褒められて、身悶えるほど気恥ずかしくなる。
「私のお下がりの服ですまないね。…だが良く似合う」
暁は首を振る。
「いいえ!こんな綺麗な服を着せていただいて…」
「明日、百貨店の外商が来るように手配した。好きな服を注文しなさい」
「そんな…もったいないです。僕、兄さんの服がいいです」
兄の服を着せて貰えるなんて、すごく嬉しい。
「遠慮することはない。お前はこの家…縣家の息子で私の弟なんだ。堂々としていいんだよ」
「…は、はい…」
「大事なことを聞いていなかった。暁はいくつ?」
「14歳です…」
礼也は意外そうな顔をした。
「…14か…。まだ12歳くらいかと思ったよ」
そして、暁の頬を優しく撫でる。
「たくさん食べて大きくならなきゃな…」
痩せっぽちな自分を心配してくれる兄の温かい言葉に涙が出そうになる。
だから慌てて、暁から思い切って尋ねてみる。
「…あの…兄さんは、いくつですか?」
「私か?私は25だ」
「…25歳…」
大人の男の人なんだなあ…と暁はうっとりと礼也を見つめる。
そんな暁の肩を抱き、笑いかける。
「私も暁のことをたくさん知りたいな。これからゆっくりと色々話そう。時間はたくさんあるからね」
肩に触れる礼也の手が温かい。
暁の鼓動が速くなる。
…これから…。
これから僕はずっとここに…この人のそばにいられるのかな…。
そんな幸せがあっていいのかな…。
暁は信じ難いような幸福を噛みしめる。





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