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暁の星と月
第1章 暗闇の中の光
朝食を済ませると、礼也は執事の生田に告げる。
「私は会社に顔を出してから鎌倉の母のところへ行ってくる。帰りは遅くなるかもしれないから、暁を頼む。
午後に外商が来る。暁が遠慮せず洋服を注文できるように、見てやってくれ」
「かしこまりました」
少し不安そうな表情になった暁に、礼也は安心させるように笑いかけた。
「…心配いらないよ。生田に屋敷の中を案内してもらって、ゆっくり過ごしなさい」
「…は、はい…」
礼也は暁の頭に手をやる。
それからシャツに結ばれたリボンが少し曲がっているのを見て、直してやりながら優しく話しかける。
「ここはもうお前の家なのだ。遠慮せず、伸び伸び過ごしなさい」
「…はい…」
…礼也の触れているところから温かい愛情が伝わる。
暁は嬉しさに身を縮め、幸せを噛みしめる。

会社に出勤するために、礼也が玄関に降りてきた。
濃いグレーのスーツに身を包み、同色の山高帽を被った礼也は眩しいほど男らしくまた品位が漂い、暁はドキドキする。
玄関の車寄せで生田や下僕、メイド達と並び見送る暁に、礼也は笑いながら手を挙げて車に乗り込んだ。
暁も手を振り返す。
そうして、車が小さくなるまで名残惜しげにいつまでも見送った。

生田はそんな暁に穏やかに声をかける。
「…それでは暁様、お屋敷の中をご案内いたします。どうぞこちらに」
「…は、はい!」
暁は生田の後を付いて歩きながら、ホールに飾られている大きな西洋絵画の数々を見渡す。
そして、昨日を境に自分の運命と生活が、がらりと変わったことを改めて感じ入ったのだった。


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