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暁の星と月
第4章 夜啼鳥の夢
大紋の話を聞き終わり、暁はおずおずと貌を上げる。
すかさずその顎を掴まれ、貌を覗き込まれる。
「…絢子さんには悪いが、僕は君以外は愛せない。
だから、もう色々思い悩むな。…君は僕だけを見てくれ」
「…春馬さん…」
「もちろん、ずっと僕だけを見て貰えるように努力する。もう二度と君をこんな風に不安にはさせない。もっと君にとって頼りがいのある男になる」
暁は潤んだ瞳を瞬かせ、その薄桃色の唇を泣き笑いの形に歪ませた。
「…でもたまにはこういう風に壮大に暁にヤキモチを妬かれるのも悪くないかな…。ちょっと嬉しかった…」
照れたように呟く大紋に暁は唇を尖らせる。
「…馬鹿」
大紋がむっとする。
「なんだよ、折角人がいいことを言ったのに…!」
「仕返しです。…さっきは人のことを馬鹿馬鹿何回も言ってくれちゃって!…兄さんにも一度も馬鹿なんて言われたことないんですよ?」
「…あ、ご、ごめんね…」
しゅんとなる大紋を見て可笑しそうにくすくす笑う。
「いいですよ、別に」
漸く暁の笑顔が見えたことにほっとした大紋は、少し厳しい表情を作り、改めて暁に尋ねる。
「さあ、今度は君が話す番だ」
「…?」
「…風間と、どこに行ったの?」
心配そうな顔をする大紋に、
…ああ…と軽く頷き
「ホテルです」
あっさり答える。
「ええ⁉︎ホ、ホテルって…‼︎…ま、ま、まさか…‼︎」
おろおろする大紋をちらりと見遣り、小さく笑う。
「風間先輩のホテルのバーで飲んだだけです。…色々話を聞いていただいて…送っていただいて…それだけです」
「あ、ホテル・カザマのバーね。そうか…良かった…」
ほっと胸を撫で下ろす大紋を見ながら、ふと先程の出来事を思い出す。

風間は車で暁を屋敷まで送ってくれた。
礼を言い、降りようとしたその時…素早く肩を掴まれ抱き寄せられると、鮮やかに唇を奪われた。
風間のキスは巧みで、あっと言う間に暁の唇を押し開き、滑らかな舌で口内を弄ると、余韻を込めてから離れていった。
驚きの余り声も出ない暁に、風間はその鳶色の瞳で艶っぽく笑った。
「…風間先輩の人生相談。お代はキスね。…安いものだろう?」
あっけらかんと言われ、怒る気もなくしたけれど…。
…この話は春馬さんには内緒にしておこう…。
暁はそっと心に決めたのだ。




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