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暁の星と月
第6章 その花のもとにて
…華やかなパーティーは終わり、北白川邸はいつもの静けさを取り戻していた。
深夜一時を回り、執事の月城は執務室で業務日誌をつけ終わると、ふと何かを思いついたようにランプを片手に、夜の庭園に脚を向けた。

静まり返った広い庭園には、ガス灯が灯り、淡い光が夢のように輝く。
噴水の水音が、静かに響くのみだ。
…昼間の喧騒が嘘のようである。

月城はプロムナードを真っ直ぐに進み、小さな常夜灯のみの仄暗い温室に脚を踏み入れる。
夜の温室は、花々の香りが蒸せ返るように月城の身体にまとわりつく。
月城はランプを捧げ持ち、廻廊の突き当たり…蔓薔薇の煉瓦の壁まで進む。

…昼間、縣男爵の弟、暁と男爵の親友、大紋が激しく愛し合っていた場所だ。
ランプに照らされた蔓薔薇はまるで作り物のように輝く。

…あの光景を見た瞬間、月城は腑に落ちた。
暁と大紋はやはり恋人同士であったのだと…。
数年前から、たまさか遭遇する二人を見る度に感じていたどこか濃密な関係性…
特に大紋が暁を見る眼差しの温度から、友情の範囲を超えていることを月城は感じていた。
だが下衆の勘繰りは、月城の好むところではない。

上流階級の人々は退廃的な恋愛を好む傾向にある。
事実、月城は何度夜会で貴族の紳士や子弟に口説かれたか判らない。
だから暁と大紋が同性同士で愛し合っていることに驚きはしなかった。

…動揺したのは…
大紋に抱かれていた暁が余りにも美しく、妖しく、それでいて儚げだったからだ。
男に服を乱され白く美しい脚を抱えられ、そのきめ細やかな太腿には白く淫らな淫液が滴り落ちていた。
男の驚くほどに長大で昂りきる凶器のような性器を、暁はその痛々しいほどに紅く染まった後肛で受け入れていた。
その花環は裂けそうになるほど押し広げられ、男の牡の激しい抽送により体液が白く泡立っていた。
眩暈がするほどに淫らな不埒な行為であるはずなのに、暁は美しかった。
男に蹂躙され、全てを暴かれ、あられもない喘ぎ声をあげても尚、暁の聖性は少しも汚されず、寧ろ男に犯されれば犯されるほど、悲しいまでに澄み切った清らかさを湛えているような姿であった。

月城がそこに立っていることを認めても、暁はいささかも動じずに、月城の瞳を見つめ返し…そして微笑ったのだ。
男に犯され、繋がっている場所を見られても…
まるで月城を共犯者にするかのように微笑ったのだ。

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