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暁の星と月
第6章 その花のもとにて
月城は手を伸ばし、拾い上げる。
それは白蝶貝と真珠で出来た高価なカフスボタンであった。
…暁様のものだ…。
おそらくは、あの激しい性交の折りに華奢な暁の手首から外れてしまったのだろう。
そう思うと、そのカフスボタンが急に暁の身体の熱を帯びているような気がした。
月城はそれを暫く手のひらに乗せて眺めていたが、やがて大切に胸ポケットに収めると、静かな足取りでその場を後にしたのだった。
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