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暁の星と月
第7章 愛と哀しみの円舞曲
暁は、大紋に抱かれて踊る絢子を見つめていた。
美しい髪を華やかにカールさせ、真珠のティアラを付け、白いレースの清純なドレスを身につけた絢子は大変に可憐で美しい。
白く透明に透けるチュールがふわりと広がる様はまるで、花嫁衣装のようだ。
小柄で華奢な身体つきだが、その胸は意外なほどに豊かで、豊満な美しいラインを描いている。
引き締まった細い腰に続く豊かな女性らしいヒップライン…。
…どれも暁が持ち得ないものばかりだ。

暁は時々不安になる。
大紋は元々は異性愛者だ。
暁に恋したことはたまさかの偶然に違いない。
今は暁の身体に溺れ、執着しているようだが…いつまでそれが続くのか…。
暁には自信がなかった。
だからその内に、大紋は男の身体の暁に興味を失くすのではないかと不安になる。
息苦しいほどに愛されていても不安になる。

特に、絢子のように美しい娘が大紋を一途に思い続ける姿を目の当たりにすると、打ちのめされたような気分になるのだ。

「…絢子は大紋様にお会いしてからすっかり、変わりました」
西坊城夫人が、踊る娘を見ながら暁と風間に聴かせるともなく話し出す。
「朝から晩まで、春馬様春馬様と熱に浮かされたようにお慕いしております。それはまるで恋の病に罹ったかのように…。
以前はおとなしく、男性に自分から想いを打ち明けるような娘ではなかったのです。それが人が変わったかのように情熱的な娘になってしまい…」
途方に暮れたような…しかしどこかで娘を応援したいような夫人に対して、風間が珍しく冷静に告げる。
「けれど大紋先輩には愛する方がおられるのですよ。…私もお会いしたことがありますが、大層お美しい方です。そしてお二人は心から愛し合っておられます。…失礼ですが、絢子さんの一途な想いが届くことはないでしょう」
風間の優しい心遣いが身に染みる。
暁は思わず俯いた。
風間の温かい手が暁の背中にそっと触れる。

「…存じております。本当に困った娘です。…遅くに出来た子供で…少し甘やかしすぎました」
人の好さげな夫人は恐縮しつつ、はっきり答えた。
「絢子は暫く外国に行かせるつもりです。ロンドンのフィニッシングスクールに通わせて…時が経てば大紋様を忘れることが出来るかもしれません…」
「お母様のご賢明な選択に敬意を表します」
風間は恭しく同意すると、再び暁の肩を優しく抱いたのだった。

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