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暁の星と月
第7章 愛と哀しみの円舞曲
事務員が興奮したように声を上げる。
「やだわ!君島先生たら!」
「いやいや、あの方は確かに男でもつい、フラフラとよろめいてしまいそうな妙な色気がある方だよ。人形のように美しい上に婀娜めいた艶があって…。
よく大紋先生は平気だよなあ、あんな妖艶美人と一緒にいて…」
感心していると、再び事務所のドアが開いた。
「僕が妖艶美人とどうしたって?」
「うわあ!だ、大紋先生!…お、お帰りなさい!」
慌てふためく君島を面白そうに見遣りながら、事務員に鞄を預ける。
「…留守中、変わったことはなかったかな?」
最近は麹町の絢子の顔を見てから、出勤することが日課のようになってしまった。
絢子の身体はすっかり良いのだが、夜になるとまだ精神的に不安定で、しくしく泣き出していることもある…と西坊城夫人に言われ、あともう少し絢子の顔を見に来てはもらえまいかと懇願され、ズルズルと長引いているのが現状だ。

…そろそろ、暁に逢いに行きたい…。
忙しさの余り、もう二週間も連絡をしていない。
…心配しているだろうな…。
暁は自分からは決して、逢いたがったり寂しがったりはしない。
しかし、その実は寂しがり屋でひっそりと孤独に耐えているのだ。

…誰よりも愛しい恋人…
…今日は午後の法廷が終わったら、暁に逢いに行こう…。
…絢子さんのこともきちんと話そう。
…そして…どれだけ僕が暁を愛しているのかを伝えなければ…
そう心に決め、デスクに向かおうとした刹那…
「あ、大紋先生、応接室に縣様がお待ちです。
弟様の方です」
君島の声かけに、驚いたように目を見開く。
「暁が?」
と、言うが早いか足早に奥の応接室に向ったのだった。
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