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暁の星と月
第7章 愛と哀しみの円舞曲
大紋は耳を疑った。
強張る表情のまま、問い返す。
「…今、何と言ったんだ?」
「…別れましょう…春馬さん…」
「何を言っているんだ⁈…絢子さんのところに行っていたことを黙っていたからか?…君に心配を掛けたくなかったんだ。…だから…」
「違います。…絢子さんのことを怒っているのではありません。
…ちょうど良い潮時なのではありませんか?」
「…潮時?何が潮時なんだ?」
「…このままずっと付き合っていて…それでどうなりますか?…僕たちは結婚できるわけでもなく、恋人同士と公表できるわけでもなく…ただずっと秘密の関係で…。貴方は今回の絢子さんのようなことが何度も起こるのですよ…。周りはなぜ結婚しないのかと詮索をし出す…。
…それに…決定的なことを言わせていただければ、貴方は同性愛者ではありません。…結婚をして、子供を儲けることもできる。…けれど僕は…女性は愛せません。…女性とお付き合いすることも結婚をすることもできません」
大紋は苦しげに口を挟む。
「…それは…僕の責任だ。僕が何も知らない真っ白な君を男でなくては感じられない身体に変えてしまった。…だから…」
「…だから責任を取る?やめてください。僕はそんなことを望んでいるわけじゃない。…それに…」
暁はふっと淫靡に唇を歪めて笑う。
「…貴方に抱かれなくても、僕は多分男性しか愛せない人間でした」
「…え?」
大紋が怪訝そうに眉を顰める。
「…知らなかったでしょう?僕の性的嗜好など。
…男に嬲りものにされる母を見て育って来たせいか僕は男女の性交が気持ち悪いのです。…穢らわしく感じる。…女性の身体もです…。女性は母を思い起こさせる。…母を…僕は母を好きだったけれど、反面憎んでもいました。
愚かしく生々しい母は僕にとって女性そのものなのです。本当は話をするのもダンスを踊るのも苦痛だ。…貴方みたいに心から女性に優しくすることも出来ない」
「…暁…」
暁の魂の叫びを初めて聞いた気がして、大紋の胸は激しく締め付けられた。
「…貴方と私は違うのです。…だから今のうちに其々の道に戻るほうがお互いの幸せなのです」
大紋は叫んだ。
暁の華奢な肩を鷲掴みにする。
「馬鹿なことを言うな!僕は確かに男性も女性も愛せるのかもしれない。君は女性を愛せない人間かも知れない。だから何なんだ?僕らは愛し合っているんだ!それ以外の何が必要なんだ⁈」

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