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第7章 愛と哀しみの円舞曲

脚の付け根を弄り、男は美しい眼差しで冷たく囁く。
「…いやらしいな。…君は…」
着物の時は下着は付けないものなのに、意地悪く告げられ、暁は唇を噛みしめる。
その顎を捉えられ、再び強引に唇を貪られる。
男の舌先が暁の歯列を割り、口内を弄る。
拒もうとしても、色事に長けた大紋のくちづけは暁の快美感を巧みに刺激し、その可憐な舌を絡め取る。
濃厚に…まるで愛撫されるように舌全体を絡め、吸われる。
「…んん…はあ…ああ…っ…ん…」
鼻にかかった甘い声を漏らし始めた暁に、大紋は密かにほっとする。
本当は無理やりになど、したくなかったのだ。
いつだって大紋は暁を優しく愛してやりたかったのだから…。
打って変って優しく耳元で囁く。
「…いい声だ…可愛いよ…暁…」
「…だめ…も…しないで…おねが…」
快楽に弱い身体…
くちづけだけで、こんなにも身体が蕩けてしまう我が身が呪わしい。
大紋の体温や匂いを感じるだけで、体内の熱が昂る自分の淫らな身体が呪わしい。
「…なぜ嫌がる？」
「…もう…貴方とはしない…て…決めたから…」
…身体を重ねてしまえば、決心が鈍るのは眼に見えていた。
大紋の瞳が再び、きらりと輝き冷たく言い放つ。
「どこまで強情なんだ。…君がそこまで頑ななら…僕は僕のやり方を押し通すまでだ」
白く透き通るような長い脚を抱えたまま、大紋は前を寛げる。
暁がはっと息を呑み、既に天を仰いで怒張する凶器のような牡を眼にして、狂ったように抗い出す。
「…やっ…だめ…！やめ…て…！」
「…暁…君の身体に聞くまでだ…君の身体は何よりも素直だからね…」
男は暁の脚を抱え直し、双丘を押し開く。
薄紅色の花環が恐怖に怯えたようにひくひくと脈打った。
大紋はその肉環を長い指で押し広げながら、怒りと興奮で猛り狂った長大な牡を押し当てた。
「…入れるよ…暁…今日だけは、手加減はしない…！」
「いや…っ…！やめ…て…っ…おねが…い…！入れないで…」
暁の泣き叫ぶ声が大紋の胸に響く。
こんなにも嫌がる暁に性交を強いたことは初めてだった。
…これではまるで、強姦じゃないか…！
己れの哀しみと暁への憐れみ…しかし止めようもない歪んだ劣情がない交ぜになり、大紋はそのまま暁の中へと昂ぶる牡を突き立てた。
「んんっ…！いやあ…っ…！やめ…！」
甲高い悲鳴が上がる。
暁の美しい黒い瞳から涙が零れ落ちた。