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暁の星と月
第8章 月光小夜曲
「…恋人…?」
風間は暁の髪を優しく掻き上げてやりながら答える。
「そう。…俺は自分で言うのも何だけど、良い恋人になると思うよ。…優しいし、マメ!恋人を甘やかすのが大好き。…それに…」
ふっと艶めいた笑みを浮かべると、暁の耳朶を軽く噛んだ。
「…セックスの相性も悪くなかっただろう?」
暁の頬が上気する。
「…そ、そうですね…」
悪くないどころか、とても良かったと思う。
風間の性交は終始、暁の快楽だけを考えたものだった。
一度だけ絶頂を極めさせると、あとは真綿に包むように大切に抱きしめ、寝ませてくれた。
…大紋のように、暁が気を失っても容赦せず執拗に、狂おしく、幾度も身体を求めたりはしなかった。
大紋との性交は、暁はいつも息も絶え絶えにぐったりしながら、応えていたものだ…。

…忍さんは、いつもあんな風に恋人を愛するのかな…。
…恋人…
忍さんには今まで愛する人はいなかったのだろうか…。
容姿や人柄、家柄、財力、全てにおいて恵まれている風間の周りには、常に華やかな女性の影があった。
…けれどそれは泡沫のようにその都度入れ変わり、本命のような人はいなかったように思う。
…こんなに完璧な人なのに…。

「…どう?」
風間の外国人めいた華やかな美貌が覗き込む。
「…あの…」
暁は躊躇した。
風間が恋人になってくれたら、暁はきっと幸せになれるだろう。
男も女も愛することが出来る風間の側にいると、余計な神経を使わなくて良いのでとても気楽だ。
セックスの相性も良かった。
何より、風間は優しい。
キャンディボンボンのように甘やかし、包み込んでくれる。
…その様は、まるで優しい母親のようであるけれども…。
…でも…
何かが…何かが違うような気がするのだ…。
…けれどそんなことを口に出すのもおこがましすぎて、暁は俯いた。

思いあぐねて、返答できない暁の頭を優しくぽんぽんと叩く。
風間は少しも気を悪くしていない笑顔でこう言った。
「よし!分かった。…それでは、恋人試用期間ということにしよう」
暁は驚く。
「こ、恋人試用期間?」
「そう、お試し期間。とりあえず、暁と俺は恋人のように付き合う。デートもセックスも恋人のようにする。
…そして、本物の恋人に昇格するかどうかは、最後に暁が決めてくれ。駄目なら友人に戻る。…合理的だろう?」
そうして屈託のない笑顔で、暁にウィンクして見せたのだ。

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