この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
暁の星と月
第12章 堕天使の涙
月城は少しも怯まずに、暁の手を掴む。
「…帰りましょう。暁様…」
強引に手を引き、暁を立たせる。
暁が気色ばむ。
「離せ!お前なんか知らない!」
抵抗する暁を有無を言わさずに、引き摺るように連れ出そうとする。
傍らの男達が、月城を取り囲む。
「嫌がる暁を連れ出すなんて穏やかじゃないな」
「おい、色男。…暁はお前など知らないと言っているぜ?どういう関係なんだ?」
月城は怜悧な眼差しで男達を見据える。
「…彼は私の恋人です」
男達が騒めく。
暁が美しい瞳を怒りできらきらと輝かせ、叫ぶ。
「ふざけるな!お前なんか…!お前なんか…!恋人な訳がないだろう!…お前な…」
暴れる暁の肩が月城の長い腕に抱き込まれ、そのまま顎を引き寄せられる。
月城の唇が強引に暁の唇を奪う。
暁の瞳が眦が裂けんばかりに見開かれる。
月城は更に力を込めて暁を抱きしめ、柔らかな唇を舌先で押し開く。
そのまま熱いくちづけを繰り返し、思わず暁が甘い溜息を漏らした瞬間、漸く唇を離すと低く囁く。
「…あんまり私を心配させるな、暁…」
「…月城…」
男達が口笛を吹く。
「なんだなんだ。見せつけるねえ、色男!」
「あんた、恋人なら暁をしっかりと捕まえとけよな。…あんたがちゃんとあっちの方を満足させてないから、ふらふらおイタをするんじゃないの?」
にやにや笑う男達に、月城は口元で薄く笑う。
「…気をつけます」
そして、暁を抱き寄せたまま店外へと連れ出す。

店の外に出た瞬間、暁は月城を突き放す。
怒りに燃えた眼差しで月城を睨みつける。
「…どういうつもりだ⁉︎あんな…あんな真似をして…‼︎」
月城は後退りする暁の腕を再び掴み、無造作に引き寄せる。
「それはこちらの台詞です。…どういうつもりですか?あんな真似をして…!…あんな…いかがわしい店で、男達に囲まれて…!男達が貴方のことをいやらしい眼で見ていたのが分かりませんか⁈」
暁は可笑しそうに声を上げて笑いだす。
「分かっているのに決まっているじゃないか!…あそこがどんな店か知っているだろう?同性愛者のクラブ…。
身も蓋もない言い方をすれば、男が欲しい者が集まる店さ…需要と供給…上手くできているじゃないか?」
月城は怒りに眉を顰める。
自分でもどうかしていると思う程、腸が煮えくり返るような憤りを覚える。
「…では貴方は、本気で男を漁りにいらしていたのですか?」




/479ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ