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暁の星と月
第3章 暁の天の河
翌朝、朝食室で暁と礼也は静かに朝食を摂っていた。
昨夜は日付が変わってから帰宅したというのに、礼也は少しも気怠げな様子も疲れた様子もなく、朝からきちんとスーツを着こなし、髪も一分の隙もなく整えられていた。

珈琲を飲みながら、礼也は優しく話しかける。
「昨夜は悪かったね。中座してしまって」
暁は首を振る。
「そんなこと…。それより兄さん、少し働きすぎじゃないですか?あまり無理しないで…」
気遣う暁ににっこり笑いかける。
「ありがとう。…大丈夫だよ。私は仕事が楽しいんだ。社員も一丸となって頑張ってくれているのを見ると、とても遣り甲斐を感じるんだ」
暁は礼也の前向きでエネルギッシュな仕事への向き合い方が好きだ。
自分もいつか礼也の役に立つような大人になりたいと強く思う。

「昨夜は春馬が家まで送ってくれたのか?」
何気なく礼也に尋ねられ、暁は一瞬手にしたフォークを皿に当ててしまう。
「…ええ。…送っていただきました」

…その車内で、自分は大紋を試すような真似をしてしまった…。
大紋の熱い眼差し、痛いまでに自分の指を締め付けてくる大紋の熱い手…。
自分の頬に触れようとして、堪えた大紋の切なげな表情…。

暁はゆっくりと、口を開く。
「…兄さん、夏休みのことなんですけれど…」
「ああ。暁は馬術部の合宿で軽井沢だね?終わったらそのまま別荘においで。私もその頃、アメリカから帰国予定だから…。久しぶりにゆっくり過ごそう」
優しく微笑む礼也に、暁は思い切って告げる。
「…あの…実は今年の夏休みは、大紋さんの別荘で過ごさせていただくことになったんです…」
礼也が怪訝そうに眉を寄せた。
「…え?春馬の?…軽井沢の別荘だろう?なぜわざわざ…」
「はい。大紋さんが大会に向けて障害馬術の特訓をしてくださるんです。星南の馬術部のOGも別荘にいらっしゃるそうで、貴重なお話も聞けるかな…て」
いつもより饒舌に語る暁に、不本意ながらも頷く。
「…それは確かに貴重な経験が出来るな。なんと言っても春馬は星南の馬術部の主将だったし…」
しかし…と、礼也は少し改まった調子で尋ねる。
「…梨央さんが来られるから、遠慮しているのか?そうならそんな遠慮はいらないのだよ。…むしろ私は梨央さんと暁が親しく過ごして欲しいのだ。梨央さんには同年代のご友人が少ない。暁ならとても良いお話相手になるはずだから」




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