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第3章 暁の天の河

「…キスして…ください…」
「…暁…？」
ふいに積極的になった暁に戸惑いながらも、大紋はこの美しき少年への情動を堪えきれず荒々しく掻き抱くと、その花の唇を奪い食べ尽くす。
「…暁…舌を絡めて…」
「…んっ…はあ…っ…」
「…手は動かして…そう…もっと僕に触って…」
「…んんっ…春馬さ…っ…熱…い…」
「…君に触れられただけで、達してしまいそうだ…」
初めての淫らな愛の交歓に暁の呼吸は乱れ続ける。
くちづけの合間の大紋の呼吸も荒々しくなる。
自分を見つめる大紋の痛いほど熱い眼差しに、暁は彼の溢れるほどの愛を感じずにはいられなかった。
暁は彼を快楽の高みに押し上げるために、淫らに手を動かし続ける。
そして、夜に咲く蓮の花のように嫋やかに…艶めいて笑うと囁いた。
「…いってください…僕の手の中で…僕の手の中でいく春馬さんが見たい…」
「…暁…」
まだ性的に未熟なはずの暁の魔性ともいえるひんやりとした微笑みを見て、大紋は己の忍耐の限界を悟る。
…なんて少年だ…。
大紋は壊れそうなほどに暁を抱きすくめ、そのほっそりとした長い首筋に歯を立てる。
「…あ…あ…っ‼︎…ん…っ…！」
掠れた高い…どこか淫靡な悲鳴が大紋の鼓膜に届いた時、大紋はこの美しくも謎めいて淫らな少年の白い手のひらの中で熱く濃い精を撒き散らした。
「…んっ…‼︎…いく…っ…！」
大紋の掠れた呻き声が耳元で聞こえ、暁はぞくりと背筋を震わせる。
達したのちの余韻に浸りながら、大紋は暁を強く抱きしめ、髪を優しく撫でる。

…暁の手のひらの中にはミルクのように濃く…そして熱い彼の欲情の残滓がゆっくりと流れ落ちる。
暁はその精をじっと見つめていたかと思うと、そっとくちづけた。
…紅い舌を出して、まるで子猫が母親のミルクを舐めるような無心な仕草を繰り返す…
大紋は息を飲み、その無防備なまでに無垢であり、しかし限りなく淫らな姿に見惚れる。

我に返った大紋は、再び暁を広いベッドに押し倒し、いつ果てるとも知らぬ己れの欲望と情熱を込めたくちづけを繰り返す。
「…暁…！…愛している…！…君が愛おしくて…おかしくなりそうだよ…」
「…春馬さん…僕も…貴方が好きです…」
荒々しくも情愛の篭った愛撫とくちづけを受けながら、暁は脳裏に浮かんだ兄、礼也の面影に決別のキスを送る。
…さよなら、兄さん…。
そうしてそっと瞼を閉じたのだった。