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暁の星と月
第3章 暁の天の河
「…んんっ…はあっ…ああ…ん…」
「…暁…好きだ…可愛い…」
「あ…ああ…っ…はるまさ…ん…っ…」

三笠ホテルから帰宅し、大紋の部屋に入るや否や、大紋は暁を羽交い締めにするように抱きすくめ、荒々しくくちづけをした。
暁の柔らかな花弁のような唇を奪い尽くしながら、ジャケットを脱がす。
そのままベッドに連れ込み、押し倒す。
暁のシャツの釦を外し、白く透き通るような肌を露わにする。
…昨夜、自分が執拗につけた愛撫の跡が、薔薇の花びらのような刻印を刻んでいた。
雪のように白い肌に浮かび上がる己れの口淫の跡…
この刻印を刻めるのは自分一人だけだ…!
その事実が大紋の身体を熱く燃え上がらせる。
「…暁…」
暁をベッドに磔るように押さえつける。
暁を目の前にすると、居てもたってもいられない焦燥感に襲われる。
…この手を強く握りしめておかなくては、不意に消えてしまいそうな…儚さと危うさが暁にはあった。

…だから…
「…暁…今夜は…僕に君の全てをくれるか…?」
…この美しい少年の全てを我がものにする…!
大紋の大きな手で、顔を愛撫されながら暁は瞬きもせずに彼を見つめる。
「…はい…春馬さん」
暁の潤んだ黒い瞳を見つめながら、念を押す。
「…本当に…?」
「…はい。…僕の全てを…奪ってください…」
儚げな白い花のように微笑む。
清楚なのに、幽かに淫靡な妖しい薫りを放つ花だ。
もっともっと彼を追い詰めたくなる。
桜貝のような薄桃色の耳朶を甘噛みしながら囁く。
「…暁…男同士がどうやって愛し合うのか…知っている?」
暁の長く濃い睫毛が震える。
「…え…」
「…どこで愛し合うと思う?」
大紋に奪いつくされ、淫らな薄赤い色の唇が半開きになる。
「…知りません…」
大紋は艶めいた笑みを唇に浮かべる。
「…ここで…」
…暁のスラックス越しの肉の薄い双丘のあわいを撫で下ろす。
「…ここで、愛し合うのさ…」
暁が喘ぐように呼吸する。
「…嫌?」
可憐な唇を引き結び、首を振る。
「…嫌…じゃない…です…」
「…無理してるね…」
大紋は暁の華奢な顎を掴み、上向かせる。
「無理強いはしたくないんだ。…君はまだ子供だから…」
…春馬さんは優しい…。
どんなに欲望を持っていても、それを遮二無二ぶつけたりはしない。
暁は大紋の腕を握り締め、見上げた。
「…嫌じゃないんです…少し…怖いだけです…」






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