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暁の星と月
第3章 暁の天の河
暁は不意に激しく首を振る。
「…ち、違います!兄さんではありません!」
暁にとって兄、礼也は神聖で犯すべからざる存在だった。
自慰の時、ふと思い浮かべるだけで、兄を汚しているような気がして…慌てて面影を振り払ったものだ。
…けれど、それと同時に…
兄に抱かれたら…どんな心地がするのだろうか…と、密かに妄想したこともある。
兄の逞しい身体…
兄の美しい手…
兄の全てに包み込まれたい…
と、見果てぬ夢を見たこともあったのだ。
その妄想を見透かされたような気がして、暁は激しく動揺した。
大紋の手が強引に暁の腰を引き寄せた。
はっと見上げる暁の瞳の中に、怒りの光を帯びた眼差しの大紋が映る。
「…礼也のことを考えるな」
「…あ…っ…んん…っ…」
大紋の大きな手により暁の可憐な花茎が握り込まれ、激しく扱かれる。
「…ああっ…!…や…っ…ん…」
「…僕のことだけを考えてくれ…」
大紋の手の容赦ない動きとともに、暁の淫水が溢れでる水音が聞こえた。
「…んんっ…!…は…ああ…っ…そんな…つよく…むり…!」
「…聞こえるかい…?…君の精が…いやらしい音を立てているよ…」
「…ああ…んっ…言わな…い…で…」
淫らな水音から、羞恥に耳をふさぎたいが大紋に両手を一纏めにされ、頭上に掲げられているのでできない。
暁は身悶える。
花茎の奥底から甘く重い快美感が押し寄せる。
「…も…だめ…でちゃ…う…」
泣きながら訴えるのに、大紋は暁の華奢なうなじに噛み付く。
「…いく、と言いなさい。暁」
「…んんっ…い…く…」
「もっとだ」
「…いく…っ…いく…!春馬さ…ん!…いっちゃう…!」
髪を振り乱し、暁は泣き叫ぶ。
大紋が優しく暁の手を解放する。
「…達きなさい…暁…」
暁は自由になった手で、男の背中に手を回す。
「…っ…!…いっちゃう…いっちゃ…!」
大紋の逞しい胸の中で暁は快楽を極め、彼の大きな手の中に、悦楽の花蜜を弾けさせた。

瞼を閉じ快美感に身体を震わせ喘いでいる暁の唇に、大紋は放たれたばかりの暁の花蜜を塗りつける。
白く粘度を含むそれを暁は夢うつつで指ごと舐め取った。
その倒錯さに暁の快楽の余韻が昂まる。
うっすらと瞳を開けると、大紋が暁を見つめながら掌の残りの花蜜を愛おしげに舐めていた。
ぞくりとするほどの男の暗い色気に、暁は溜息を吐く。
しかし、その唇はすぐに男に塞がれるのだった。


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