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愛してるから罪と呼ばない
第2章 そのマカロンはまるで宝石
私はつばきさんの上着を剥いだ。
ありふれた身なりの令閨は、ありふれた寝間着の内側に、たとしえない神秘を包んでいた。
豊満な果実に吸い込まれるようにして、私は白熱灯を吸った肌に吸いつく。丘陵に実った薄紅色の突起をしゃぶって、じかに心音をくるむ肉叢をまさぐる。
「つばきさん……綺麗……つばきさん……」
ぴちょぴちょ、てろ……ちゅる…………
「ああっ……!」
「ここも、見せて下さい。私の声で、どんな風に濡れるんですか?」
無防備な内股に指を這わせる。薄い寝間着の覆った割れ目は、パンティに覆われているはずなのに、少し撫でると嬌音を煽る。
「すごく濡れるの……恥ずかしい……」
「もっと濡らしてあげます」
…──つばきさん。
唇につばきさんの耳朶を挟んでささめいた。
「はぁあっっ」
いつもの夜と、真逆だ。月と太陽の昇る時刻を入れ替えたように、それでいて両者はいつでも共存しているように。
つばきさんは私に抱いて欲しいと打ち明けた。私がつばきさんに望んでいたことだ。
昼間はスタイリッシュで類稀なステイタスを求められてきた彼女は、不義は疎か、女の肉体、女としてのアイデンティティを寝室で愛でられることへの器用さを備えていなかった。いわゆる格好良い女性像とやらでいなければいけなかった彼女と、世間の求める本性を欠片も持ち合わせなかった私。唯一、私につばきさんと同じ性に生まれた歓びがあるとすれば、彼女とより一つになれること。男の肉体は健康であれば女に種を植えつけるだけで、女を理解出来る物質ではない。
ありきたりな言葉を使えば、見た目は個人を語らないのだ。
「脚、開いて下さい」
「はぁっ、こ、ぅ?」
「──……」
「やっ……」
覗き込んで指の腹を伸ばした肉薔薇は、とろりと蜜が這い出ていた。つばきさんの脱ぎ捨てたものを追いやって、私は蕾に口づける。
じゅるっ…………
「顔近い……ゃあ」
「つばきさんがいつも触っているところでしょ?」
そして、おそらくあの男を受け入れた場所。