この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛してるから罪と呼ばない
第1章 逃避行
その出会い系サイトは検索結果の上部にヒットした。レズビアンらのネットワークでは、有名らしい。頻りとネットニュースなどに広告を貼って宣伝してあるそれらと違って、もとより個人運営のそれは、健全なコミュニティサイトとしての性質もある。肉体関係を持つ相手を探すための掲示板には鍵がかかっており、管理人と通話したのち性別確認をパスした利用者のみに、パスワードが教えられるシステムだ。
香凜は、問い合わせフォームにメールした。一週間後には、メールセックス募集の掲示板を閲覧して、阿邊菜穂(あべなほ)という女とアドレスを交換していた。
"菜穂って呼んで。あたしも香凜さんのこと呼び捨てしていい?"
"うん。っていうか、同い年だものね。……菜穂?///"
"^ ^☆そうだ。写メ交換って大丈夫?"
メールのやりとりからして、菜穂は慣れた感じがあった。
香凜に配偶者がいることを打ち明けても、「この不良」と𠮟咤を装った戯れ言が返ってきただけで、セックスに関しても開放的な性格だ。