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愛してるから罪と呼ばない
第1章 逃避行
「美衣子さんの手、好きです」
「貴女のように、洒落た飾りは塗れなくってよ」
香凜は、首を横に振る。
「だけど貴女を傷つけないで、貴女の欲望を満たしてあげることは出来る」
そんな指で自慰なんてしたら、危ないわ。
朗らかな美衣子の軽口は、香凜の腹の奥でとくんとくんと息をしていた官能の焔を煽り立てた。
「私も、香凜さんの触ってみたいところがあったの」
「どうぞ、……」
ちゅ……くちゅ…………
こり…………
心臓に近い方の丘陵に、美衣子の唇が吸いついた。利き手に近い方の丘陵は、指の腹が。
コットンパールの頂が、ぞくぞく痺れる。美衣子が唇に含んだまま、舌に転がす。美衣子が指の腹でやおら撫でて、時折くいっと引っ張り上げる。皺だらけになって、赤みがかったところの全てがそばだつ香凜の乳房の麓を、美衣子の指が這ってゆく。
「はぁっ、はぁ、あっ……あっ……はぁっ、はぁっ、……」
「勃ってるわ……香凜さん、ぷくっと尖って勃っている……」
「ぁ、ぁあ……はぁ、美衣子さん……ゃっ、そこ、やぁ……」
「物欲しげなおっぱい……。白くて赤ん坊みたいに無垢なのに、大きくて、ピンクのところがつやつやに膨れてる……」
美衣子は、香凜のコットンパールに指と唇を交互に注いだ。それと同時に香凜の首筋、腕や肩を物色して、みぞおちや太ももにちょっかいをかける。
香凜よりも極めて在宅時間の長い美衣子は、よそに恋人がいる息差しもない。彼女の良人が細君に蹂躙を求めるとも考え難い。だのに、美衣子は手慣れている。
「いやじゃないんでしょう」
「はぁ、はぁ……」
「可愛いわ、香凜さん」
無着色の桜貝を乗せた指が、香凜の顆粒層を往来していた。
「乳房の他にも、触らせて欲しいところがあるの」
香凜は弾かれるようにして首を縦に振っていた。