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愛してるから罪と呼ばない
第1章 逃避行
春服越しに見る肉体は、美衣子が披露しなくても、洗練されたものということは瞭然だ。
香凜の太ももを挟み込んだ美衣子のももは、柔らかだ。香凜を這う美衣子の指は、毎夜の悪夢を粉砕する。
呼び水がこうも清らかだとは知らなかった。こうも恤愛に満ちたものとは、想像にも至らなかった。
何度も、何度も口づけを交わす。
菜穂とメールしていた時や、美衣子にからかわれていた時は、工自虐的な欲望が香凜をそそのかしていた。それが今、未だかつて味わわなかった純粋な欲望が、香凜の気分を開放している。
香凜は、美衣子の唇が頬や耳朶に触れる度、横目に彼女を盗み見た。
はっきりとした目鼻立ちは優しげで、各々の部位が完璧な塩梅で配置された顔面にも拘らず、とりすました感じがない。美衣子の気さくで明るい身性が、胸が迫るほどの美しさを完成させていた。胸が迫るほどの美しさは、香凜に有効な美衣子の備える引力か。
くちゅ……ちゃぷ…………
さわっ、ぐしょ…………
「可愛い……柔らかくて、熱い……何て色っぽく息を吐くの……腰を振るの……」
「あっ……ああっ……み、ぃこ、さぁ……んっ……」
美衣子の指が熱を帯びてゆく。香凜の割れ目をなぞる指は、花蜜の温度を吸って、より滑りやすさを増す。
香凜の泉門の種はおりふし干渉を受けた。美衣子は縮れた茂みを指に絡めて恥丘を愛で、潤みから掬い上げた潤滑油を性感帯に塗りつける。
くね、くり……つるっ、…………
「ひっ……あ……あん、あああっ…………」
美衣子は、指を挿れても構わないかと香凜に訊ねた。
今更だ。香凜はこのまま疼いた場所が満たされなければ、きっと発狂してしまう。
美衣子が欲しい。美衣子だけが、欲しい。