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愛してるから罪と呼ばない
第1章 逃避行
「そう……。私の、何が欲しいの」
「指です、……美衣子さんの、お上手な指……」
「この、よだれが啼いている場所に?」
ちゃぷ、ちゃぷ…………
「こんな風に、少し指を動かすだけで、いやらしい水が鳴る場所に?」
くちゅ……くちゅ………
「美衣子さんが、欲しっ……ん、欲しくて……啼いてまっ……すぅ……はぁっ、はぁ……」
腰がひとりでにブランケットを打っていた。
美衣子は、誠二の倍は愛撫に時間をかけていた。
香凜を濡らすためだけに愛撫して、あの狂った雄の刃を貫くだけのセックス。先の読める、誠二の自己顕示欲が満たされるだけのセックスとは違う。美衣子は香凜に呼び水の甘みを啜らせて、香凜の頭の天辺から爪先まで、丹念に見つめる。香凜の目、喘ぐ様、吐息、体温。香凜に与える一方で、美衣子も香凜を味わっている。
「貴女が、初めてだったら良かったのに……」
ちゅぷっ…………
他意ない美衣子のささめきのあと、潤みが指に塞がれた。
「あああんっ!あ…………ああっっ……」
痛みはなかった。当然だ。経験済みらしい快楽が、香凜に、少女独特の感動を諦念させた。
美衣子の指で、破瓜の苦艱を味わいたかった。