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愛してるから罪と呼ばない
第1章 逃避行


 じゅぷ……ちゅるっ、じゅるる…………

 たぷんっ、くにっ……くにくに……………


「ひ……ん!っ、あっ……ゃ……」

「いやらしい声だ……淫らで可愛いお嫁さん。震えてるね……ベッドへ行こう」

「ぅっ……んん、ぁっ……んっ」


 唾液と唾液が繋がって、腕と腕が交わったまま、二つの肉体が窓辺を離れた。



「香凜……ボタンを外すよ……いい子だ……」

「っっ、……」

 いや。見ないで。触らないで。

「すべすべの肌だ……いい匂いだね。オレも同じボテイソープを使ってるのに、香凜の匂いは格別だ……」

「ひぃっ!くっ……」

 沈めないで。鼻先を。嗅がないで。


 ざらついた、それでいて油分を含んだ誠二の顔が、香凜の渓谷に割り込んでいた。

 生ぬるい息が香凜の胸の谷間をまさぐる。吐息に慄く渓谷を、舌がなぞる。誠二の片手は、同時に香凜のパンティを下ろしていった。


 ぴくっ…………


「どんな風になっているか、見せてごらん」


 ごつごつした手が、破けそうなほどの薄肉を顫わせる香凜の内股を撫で回す。誠二の手は、ともすれば選択肢を取り上げた所有物に命じるように秘境を開いて、彼の私物を扱うように水音を探る。


 くちゅ…………

 ひくん、ひくんっ…………


「恥ずかしいところがとろとろじゃないか。嬉しいよ……香凜は甘えたさんだね、感じてくれているんだろう?」

「はぁっ、はぁ、ぁっっ……」



 唇も、まして身体を重ねるセックスは、相互に愛する者達の間にのみ成り立つ行為のはずだった。だのに何故、こんな目に遭う。
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