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愛してるから罪と呼ばない
第1章 逃避行

* * * * * * *
寝間着の上着だけは羽織ることを許可されて、連日の雨の匂いの染みた夜闇に寝そべった。
居を移して十日弱が経つ。申し分ない住み心地のマンションは、ベランダも、女が三人集って閨房に使えるほどの余裕がある。香凜と美衣子の隣室に先住していた阿邊菜穂も、ここぞとばかりにビーチチェアを置いていた。
「あの花でさえ、慎ましくめしべを隠しているのに……香凜は犬みたいにここを晒して、もう女の匂いをさせているのね」
「ぁっ……ひゃ、ん」
「ふふ、美衣子さん。香凜は可愛い仔猫ちゃんですよ。こうして猫じゃらしで遊んであげると、こことか、……」
星空に裸体を晒したに香凜の乳首を、菜穂のつまんだ猫じゃらしがくすぐる。本来は小動物専用の玩具は、香凜の頂からまろみを滑って、腹を渡って、割れ目に至る。
「ご覧になって、美衣子さん、香凜のここ。こんなに喜ぶんですもん」
「あっ……はん、やっぁあ……」
前身頃のはだけた上着は、衣服の役目を放棄していた。コーラルピンクのコットンパールは香凜の両胸で先走っており、猫じゃらしから解放されたのも束の間、今度は美衣子の指の腹と指の腹がそれをつねると、冷めやらなかった興奮が勢いを増す。香凜の背中は小刻みにたわんで、喉は飛び上がるような声を鳴らす。菜穂の猫じゃらしが愛液を含んで濡れていた。濡れた刺戟が香凜の黒い茂みをかき分けて、薄肉に覆われた小指の先ほどの豆粒をからかう。
くに、くにくに…………
「ぁあっんっ、ぁ、あっ、あぁぁ……っっ」
隣の住人は、あの掲示板で面識を持った菜穂だった。
菜穂の方は、香凜と美衣子が数日前、挨拶回りに訪うことを先に予予測していたという。美衣子は香凜が菜穂と音信を繋げているのを容認していた。香凜にとって美衣子は恋人、片や菜穂は友人だ。香凜が美衣子に抱かれるまで、少なからず菜穂が香凜を支えていた。美衣子はしとやかなセックスを好んでいながら、香凜と菜穂が空想していたような淫らごとにも常々関心を示しており、それもあって、彼女らが打ち解けるのも早かった。

