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愛してるから罪と呼ばない
第1章 逃避行

「あらあら、素敵な格好」
「たまには怖い目に遭わせてあげる」
「香凜の観ていたDVDでもこんなシーンがあったわね。それなら、まだ足りないものがあるわ」
ちゅぅぅ……ちゅる…………
くちゅ、くちゅ…………
美衣子が菜穂にロープの有無を問うた。ベランダの戸口が開く音がした。美衣子の指は、香凜の口内を指でかき混ぜて、香凜の乳房をまさぐる。
香凜は神経を研ぎ澄ます。だが、主人に構ってもらっている愛玩動物よろしく美衣子の指を夢中にしゃぶって、複数の刺戟に期待している中で、状況を見極められるだけの思考力は働かない。
まもなくして、香凜の腕が持ち上がった。かと思うや、両手首に硬いものが巻きついた。無機質の蛇は香凜の動脈を締め上げて、上体の自由をみるみる奪う。動かない。美衣子か菜穂が、おおかたロープを柵にでも繋いだのだ。
「ますます素敵よ、香凜。まるでお金で股を開いているアダルトビデオの女優みたい」
「仕事にしていない分、香凜は彼女達より淫乱だよ。ねぇ香凜?自分で脚、広げてみな」
「っ、はぁ……」
「もっと」
「こ、れくらい……?」
「そんなんじゃ指も挿れられないわ。全開よ」
「ぅ、うぅ……」
二人の視線が香凜をねっとりと撫でる。美衣子と菜穂の四つの目は、香凜の下半身に集中していた。おずおずと開けた内股の中心に咲く、ぬらりとした肉の花。不可視の愛撫になぶられて、ざわつく。
「私のめしべよ」
「じゅくじゅくしたのが好きなんですね、美衣子さん」
「いいえ」
菜穂より僅かに硬い皮膚。だが、内側の柔らかな肉が今にも透けてきそうに薄い皮膚にくるまれた指が、香凜の蜜部にとろりと落ちた。濡れた美衣子の指先が香凜の恥丘をくすぐって、腹を撫でて、乳房をさする。
「香凜だから愛しているの。仮にそっくりこのままの肉体の女がいたとしても、それは香凜じゃない。代わりになんて、ならないわ」

