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愛してるから罪と呼ばない
第1章 逃避行


「あんまり使い古した感じしないね。それだけ仔猫ちゃん達には股を開けさせてきたんだ?」

「良人は、……昼間は家を空けてるの。香凜さんが来る前は、それなりに……」

「何人くらい?」

 菜穂の指が割れ目を伝う。劣情にはだけた襞は厚みを帯びて、無色透明の粘液を吐き出す秘境は、目に見えて大きく開いていた。なまめかしい食中花。美衣子の一部のこの生き物を、あの誠二は通り抜けてきたのか。…………


「菜穂さんの、質問に答えるなら…………六人くらいだったかしら」

「じゃあ、例外がいるの?」

「抱かれたのは、三人」

 菜穂は、それから美衣子の敏感なところを探りながら質問を続けた。香凜は耐えられなくなって、美衣子と口づけを再開しながら、互いの身体をまさぐった。美衣子の指が、香凜の潤みを刺戟する。菜穂の指が、美衣子の浅瀬をからかう。

「いやらしい人。美衣子さんみたいな人、大好き」

「いやらしいことを好きではない人間の方が、少ないわ。きっと、本音では」

「その本能を抑えられなかったんだ」

「抑える必要もないわ」

「おしおき、して欲しい?」

 筋書き通りの導入だ。美衣子は菜穂に体罰を請うた。香凜が被虐を求めたように、美衣子も、彼女自身の惆悵を晴らさんと、自虐の快楽を必要とした。

「罰を与えて……」

 ちゅ、ちゅ…………

 乳房と乳房をこすらせながら、香凜の唇を啄む合間に、美衣子は菜穂に秋波を見舞う。

「誰を貶めたって、いつでも私は私の快楽が大事だった……あばずれよ。痛めつけて……」


 香凜は顫え上がる思いになって、腰の奥にとろりとした熱を覚える。これで美衣子と同じになれる。

 菜穂は美衣子を四つん這いにして、香凜にディルドを握らせた。
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