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愛してるから罪と呼ばない
第2章 そのマカロンはまるで宝石


 つばきさんが腰を下ろした。四つの太股が並び合う。私は悲鳴を上げそうになった。つばきさんの思わせぶりな吐息が耳の裏をくすぐって、ただでさえ優しい声が、触れるか触れないかの愛撫を施したからだ。

「こうして見ると、星音ちゃんって、白いわね」

「一応、日傘は常用なので……」

「綺麗な肌……。色んなボディローションを試していると、肌の質って違ってくるの?」

「つばきさんには、敵いません」


 ひっ…………


 そよ風がももの上辺を通り過ぎた。つー……と、くすぐりをなぞるようにして、つばきさんの指が伝う。ショートパンツから剥き出た私の脚が、撓りたいのを必死に堪える。執拗にももを往来するつばきさんの左手は、まるで所有物よろしく私の一部を物色する。

「はぁっ、……」

「始めて良い?」

「…………」

 腹の底では二度返事で頷いていた。それでも私は、あくまで無知な、あくまではにかむ少女を気取る。


 女の子の肉体を、デコレーションしてみたい。


 つばきさんが本人もいつだったか思い出せない時分、ふっとよぎった妄想らしい。妄想と願望は、時に紙一重になる。世間の求める品行方正な淑女を演じれば演じるほど、つばきさんの剪断応力は、願望の肥やしになったという。
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