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愛してるから罪と呼ばない
第2章 そのマカロンはまるで宝石
ちゅ…………
今度は、確信を孕んだキスが降りた。私が拒む可能性を見ない確信。事実、私はつばきさんを受け入れている。当然にまぐわう唇同士は、言葉というマテリアルを用いずして私達を通わせようと躍起になる。唇を吸って舌を合わせる。舌を絡めて、唾液を啜る。私は、つばきさんと離れている間も、つばきさんの一部を握り締めていたいのかも知れない。永遠のようで刹那のキスを貪りながら、私はつばきさんの口内の潤みを搾取していた。
「興奮しちゃうわ。夢を叶えてくれたのが星音ちゃんだなんて、信じられない……」
「私、っ、つばきさんのお眼鏡に合うスポンジケーキになれました……か……?」
「写真に撮って、いつでも持って眺めたいくらい」
「へへ、それは、恥ずかしいです」
女の部分を余すところなく装飾された私の肉体。この甘ったるい物体につばきさんのカメラのレンズが向けば、私は昇天するかも知れない。さんざっぱら嫌悪して、散々、否定してきた象徴なのにだ。つばきさんなら構わない。私の持つ女を愛でて、私を構成している女を肯定しても、つばきさんなら本望だ。
「声、聞かせて」
「んっ、ふぅ」
「きら音ちゃんの……、星音ちゃんの声を聞いて、」
「ぁっ、んん」
「私、自分をいじることもあるのよ」
つばきさんの手のひらが、頰にかかった私の髪をよける。頰を、こめかみを、撫でながら。
「つばきさんが、……?」
「パートナーには解消出来ない、ストレスだってあるのよ」
「んっ……んんぅ!」