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愛してるから罪と呼ばない
第2章 そのマカロンはまるで宝石


「はぁ、はぁっ、……」

「力抜いて」

「はぁ、……」

「痛くない?ここまで、大丈夫?」

 何かが膣口を遊んでいた。私はまるで痛くない、そればかりか早く飲み込んでしまいたいものに仰け反りながら、つばきさんに呼びかける。不思議と冷静な気分でもある。身体はとっくにとろけているのに、ひとときの記憶をより確かなものにしたいという欲望が、私に冷静でいなければならないという自制を強いるのかも知れない。

 私達はあらゆる淫らな会話を交わした。今日まで蕾を持て余していた私まで、それが偽りだったのかと疑られても仕方のないような淫らな会話を。

 たった一つに繋がって、私達は抱き合った。キスをした。熱に浮かされたような好意を交わした。

 いわゆる不義など映画やドラマの世界だと、タカをくくっていた。タカをくくっていた世界は、存外にとりとめないものだった。私はつばきさんが好きで、つばきさんは私の動画を自慰の副食にしてきた。そうした二人が出逢って、身体を重ねただけのこと。そこにどんな不思議もなければ不自然もない。もとより私には、女と男が約束する永遠とやらの方が未知の世界だ。男は、ただそこに存在しているだけの異物だ。私から希望を取り上げる他に所業はない。私は既につばきさんという希望を奪われている。それだけのことで、それ以外の何でもない。
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