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アスタリスクの恋
第3章 甘えたな、月夜
車を出して20分程か。道路も思っていたほど込み合うこともなく、屋敷に着いた。

「お待たせいたしました。」

いつも通りに、何も変わることなく星夜は後部座席の扉を開ける。それに促されるかのように里緒もまた、いつも通りに車を降りる。里緒をおろし、扉を閉めたその直後だった。星夜はきゅっと手首を掴んで引き留めた。

「姫?」
「…な…ッに?」
「三上様へのご連絡…お忘れになさいませんよう…」
「しなきゃだめ?」
「はい。もちろんでございます。まさか、しないおつもりで居た…等と言うことはございませんよね。」
「しないつもりだった。」
「なりません。今宵にでも…」

そう話していた時だ。千早も帰宅した。

「あれ、今帰り?」
「お帰りなさいませ。千早様」
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