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華の王妃
第9章 アンリア
「ああ。貴方は本当に美しくて愛らしい方だ。
出来ることなら貴方を私だけのものにしたい。」


けれど、と口を噤む王弟は本来大人しく気持ちの優しい
少年でとても兄王に反旗を翻すなど考えつかない性格で。


「我儘を申し過ぎました。お忘れ下さい。
私は今のままで満足ですから。」



御子が元気に育って下されば。



「どうか貴方・・御子をお守り下さいませ。」



真実愛した方の御子を



「勿論ですとも。どちらも等しく大切な御子。
何をおいても守り抜くと誓いますから。」


どうか泣かないで下さい、と目尻に浮かんだ涙を指で拭う。







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