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華の王妃
第3章 恋する人


気が付けば何回目かの訪問だろうか。
リンダリアは匂やかな乙女の15歳になっていた。

その頃にはもう王太子の面影は定かでなく、アルゴスの王のことも頭にない。
代わりにルーカスの王の美しい顔ばかりが浮かび、会えば胸の鼓動が高鳴る
ばかりで。

今では一体何だったのか、何がきっかけだったのかわからないくらい
王のことで頭が一杯だった。


きっかけは何だったのだろう。
強引な一面の裏に思わぬ優しさを知ったときだっただろうか。

自分に見せる優しさとは別の執政者としての一面を見てしまったときだろうか。
王の全てに翻弄され気が付けば王の思いを同じように返したいと思う自分がいた。


頬を赤らめ恥ずかしそうに求婚を受け入れるリンダリアに王は心底嬉しそうに破顔し
リンダリアを抱き上げる。


「私はそなたに誓おう。未来永劫何があろうとも妃はそなただけだと。」


「王様・・・ 」


「コーラスだ。二人のときはコーラスと呼べ。」


「コーラ、ス様・・」


「そうだ。」


幸せだった。










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