この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華の王妃
第4章 ユリウス
男でも女でもない人以下な存在。
それが宦官だった。
今では古い風習となった宦官制度はユリウスが生まれた遠い東の国
和では宦官が当たり前のように存在していた。
皇帝と呼ばれる王の為に集められた3千の美女の為宦官は存在する。
後宮に皇帝以外の男は必要ない。
だから宦官が作られた。
性の匂いと陰謀が渦巻く後宮にユリウスは少年の頃から仕えた。
皇帝直属の宦官だった為后妃同志の派閥に巻き込まれることなく
人より美しく賢かったユリウスは皇帝に気に入られた。
後に愚帝と呼ばれた皇帝は悪政は布かないものの政治は宰相まかせ。
ただ皇室の財政を圧迫させる為だけに即位したようなものであった。
ただ根が善人なのか愛した者たちには惜しみない愛を注ぎたいらしく
寵妃の一族などは栄耀栄華を誇っていた。
かくいうユリウスも皇帝の惜しみない愛を受けた一人で皇帝の特別な
思し召しにより宦官から医官への道へと進んだ。
和の医学は特殊でユリウスは医学の一環として男女の房中術を学んだのだが
それがアルゴスで大変重宝されアトラス王に重く用いられることとなったわけだが
運命とは不思議なものである。