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華の王妃
第4章 ユリウス
自分の夫しか知らない場所に何かが蠢いている。
何かを探ろうとしているのか暴こうとしているのか。
自分の意志と関係なく揺れ動く身体に自然と眉間に皺がよる。
天幕に入り込むわずかな月明りと小さな蝋燭の明かりで今いる場所が
王宮でないことを知る。
ああ自分は神殿詣でに出て輿に乗っていたはず、では今は輿の中なのだろうか?
華奢なリンダリアの為に特別に作らせた輿は通常の物よりも大きく中も広い。
疲れれば横になれるような作りだった。
だがどこか粗雑な感触は輿ではなく、嫌な予感がしてはっと目を見開けば
自分の肩にまわる大きな腕が視界に入った。
「コーラス・・さま・・?」
それはリンダリアの願いだったかもしれない。
自分の知る腕はもう少し細かったと思う。
「コーラスさま?」
だがそこにある腕はもっと太く筋肉質だ。
リンダリアは身体がだんだんと震えてくるのが感じられた。
やがて小さな悲鳴と同時に肩にまわる腕に力が加わりぎゅっと強く掴んだ
のがわかった。
思わず反射的に背けるように身体を反転させると自然と上掛けが下へと下がり
自分の身体が空気に晒される。
そのときはじめて自分の身体が何も身に纏っていないことに気づいた。
何かを探ろうとしているのか暴こうとしているのか。
自分の意志と関係なく揺れ動く身体に自然と眉間に皺がよる。
天幕に入り込むわずかな月明りと小さな蝋燭の明かりで今いる場所が
王宮でないことを知る。
ああ自分は神殿詣でに出て輿に乗っていたはず、では今は輿の中なのだろうか?
華奢なリンダリアの為に特別に作らせた輿は通常の物よりも大きく中も広い。
疲れれば横になれるような作りだった。
だがどこか粗雑な感触は輿ではなく、嫌な予感がしてはっと目を見開けば
自分の肩にまわる大きな腕が視界に入った。
「コーラス・・さま・・?」
それはリンダリアの願いだったかもしれない。
自分の知る腕はもう少し細かったと思う。
「コーラスさま?」
だがそこにある腕はもっと太く筋肉質だ。
リンダリアは身体がだんだんと震えてくるのが感じられた。
やがて小さな悲鳴と同時に肩にまわる腕に力が加わりぎゅっと強く掴んだ
のがわかった。
思わず反射的に背けるように身体を反転させると自然と上掛けが下へと下がり
自分の身体が空気に晒される。
そのときはじめて自分の身体が何も身に纏っていないことに気づいた。